チームのコミュニケーション研修というと、「伝え方」「プレゼンテーション」「フィードバックの方法」が中心になることが多いです。でも、コミュニケーションの問題の多くは、「話し方」ではなく「聞き方」にあります。この記事では、チームの対話の質を変える「聞く力」の育て方を、具体的な演習とともに紹介します。

チームのコミュニケーションを変える「聞く力」の育て方

「聞いているつもり」の落とし穴

多くの人は、自分は相手の話をきちんと聞いていると思っています。でも実際には、相手が話している間、次に自分が言うことを考えていたり、相手の言葉を自分の経験に当てはめて解釈していたりします。これは怠慢ではなく、脳の自然な働きです。マインドフルな傾聴の第一歩は、この「聞いているつもり」に気づくことです。

3分間の傾聴演習

ペアになり、一方が3分間、今感じていることや考えていることを話します。もう一方は、ただ聞きます。口を挟まない、アドバイスをしない、うなずくだけ。3分後に役割を交代します。この演習を初めて行うと、「3分間、本当に聞くことがこんなに難しいとは思わなかった」という声が必ず出ます。その気づき自体が、変化の始まりです。

チームミーティングに取り入れる方法

毎週のチームミーティングの冒頭に、「今週、誰かの言葉で印象に残ったことはありますか?」という問いを設けるだけで、チームの「聞く姿勢」が少しずつ変わります。これは、聞くことに価値を置くというメッセージをチームに送ることでもあります。最初は沈黙が続くかもしれませんが、3週間続けると必ず誰かが話し始めます。

リーダーが聞く姿勢を示すことの効果

チームの聞く文化を育てる最も効果的な方法は、リーダー自身が聞く姿勢を示すことです。会議中にスマートフォンを置く、部下の話を最後まで聞いてから話す、「それはどういう意味ですか?」と問い返す。これらの小さな行動が、チーム全体の聞く文化を変えていきます。

聞く力は、生まれつきの才能ではなく、練習で育てられるスキルです。まず自分一人で、今日から始めてみてください。